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「拝み屋異聞 うつろい百物語」は「来たるべき災禍」の後日譚だった [本・コミック]

「拝み屋異聞 うつろい百物語」読了しました。

拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2017/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


郷内心瞳さんの新刊です。
角川ホラー文庫から出版された
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」から間を置かずに
発売されたことで、その関連性が気になる方も
いるのではないでしょうか?

そのあたりも含めて、レビューします。

まず、「拝み屋異聞 うつろい百物語」は、文庫本
ではなく、単行本です。

文庫本の「拝み屋怪談 来たるべき災禍」
720円(税抜)に対し、
単行本の「拝み屋異聞 うつろい百物語」
1,600円(税抜)と、倍以上のお値段。

うーむ。
正直言って、高い。

人気のある作品ならば、単行本が発売された
後に、文庫化されることもあるかと思いますが、
「拝み屋異聞 うつろい百物語」が怪談という
部類なので、爆発的ヒットで文庫化という
ことも、あまりないような気がします。

なので、読みたいのならば、いま、単行本を
買って読むしかないと思いました。
郷内心瞳さんにとっては、初の単行本という
ことですし、応援も兼ねて。

単行本のいいところは、文庫本とは異なり、
凝ったブックデザインになっていること
ですよね。

たとえば、装丁ですが、黒地に丸い窓が
空いており、その窓からは、四季の色合いを
もった写真がうかがえます。

0726_1.JPG

帯にもあるように、今回の怪談は、
巡りくる四季を舞台にした百物語だからです。

で、帯を取ると、実は、もう一つの窓が
隠れていました。

そこから見えるのは、薄暗い・・人の手・・?

0726_2.JPG

ちょっと、これだけで怖いんですけど(笑)

カバーを外すと、こんな表紙が現われます。

0726_3.JPG

いいですね~

読む前から、テンションが上がります。

あと、読み進めていくと分かるのですが、
ところどころに、暗い靄(もや)の掛かった
ような装飾を施したページが出てきます。

0726_4.JPG

あまりネタバレになるのもよくないので、
詳細は書きませんが、これも実に効果的な
使われ方をしていて、文庫本では表現できない
恐怖の演出をしています。

このように、お値段は少し高いですが、
それ相応のブックデザイン、紙質なので、
手にした時の満足感はあると思います。

いやいやいや、結局のところ、外観ではなく、
中身が重要でしょう!と思われますよね。

ご安心ください。
中身もとびっきりですよ。

まず、この作品は、先に出版された
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」の後日譚と
言っていいと思います。

「拝み屋怪談 来たるべき災禍」にて、
桐島加奈江との決着がついた後、郷内さんは
いったいどうなったのか?
果たして、無事でいられたのか??

これも詳しくは、著書に書かれているの
ですが、あまり無事ではなかったようです。

それどころか、拝み屋という職業を辞めよう
とすら思い、悩んでいる様子がうかがえます。

そう。

「拝み屋異聞 うつろい百物語」は、百物語
という怪談集でありながら、郷内さんが
どん底から這い上がる、再生の物語でも
あるのです。

作品の構成としては、著者の既刊
「拝み屋郷内 怪談始末」「拝み屋怪談 逆さ稲荷」のように、
数ページの短い怪談が、四季を通じて
記されているので、
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」を読んで、
こんなの、郷内さんらしくない、と思った
読者も、安心するかもしれませんね。

収録されている話の中には、
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」の話を
掘り下げて記されているものもあるので、
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」を事前に
読んでいると、その関連性も読みとれて
おもしろいと思います。

特に、僕が興奮したのは、「創造の家」
という怪談です。

「拝み屋怪談 来たるべき災禍」を読んだ
時に、あれ?と思ったことがありました。

郷内さんがこれまで見舞われた怪異として
いくつか例を挙げていたのですが、
その中で、「そんな怪異、あったっけ?」
と思った記述がありました。

--------------------------------------------------
首から下が血まみれの骸骨だけになった、髪の長い女。
--------------------------------------------------

それが、本書には、しっかりと載って
いたのです。

しかも、かなり、おぞましい内容で。

おぞましいと言えば、
「人形殺しを見た話」という怪談も、
かなり、鳥肌が立ちましたね。

これは、著書「拝み屋郷内 花嫁の家」にも通じる、
なんていうか、人間が怖いという恐怖です。

百物語なので、さぞ怖い話が揃っている
かというと、怖い話ばかりでもなく、
時にはくすっと笑ってしまったり、
思わず、ほろりと涙してしまう話も
あったりして、それこそ、移り行く四季
と同じように、怪談も色とりどりだなぁ
と思わされます。


そう言えば、先日、こんな体験を
しました。

これも怪談と言えるのかな?

家族で食卓を囲んで、夕飯を食べていた
時のことです。

突然、ブーン ブーン という大きな
音がして、何かと思ったら、鮮やかな
エメラルドグリーンの色をしたカナブンが
一匹、部屋の中を飛んでいました。

食卓の真上には、大きな電灯があり、
どうやら、その明りに引き寄せられた
ようです。

一時、家族はパニックになりましたが、
そのカナブンは、しばらく宙を舞った後、
電灯の上の隙間に、すっと入ってしまい
出てきませんでした。

翌日、電灯のフードを外してみたの
ですが、カナブンの姿は見つからず。

忽然と姿を消したように思えました。

それにしても、不思議です。

あんな大きなカナブンが、いったい
どこから紛れ込んできたのか。

確かに、網戸にしてはいましたが、
その隙間から入ってこれる大きさでも
ないように思えます。

ただ、僕はそのカナブンを見た時に、

「あっ」

と思ったことがあるんですよね。

それは、先日亡くなった親戚のこと。

なんとなくですが、そのカナブンを
見た時に、その親戚の顔を思い出した
んですよね。

亡くなった親戚が、カナブンの姿で
会いに来た・・・。

そんな風に、直観的に思ってしまった
んですよ。

そうだったらいいなぁという願望が
あったのかもしれません。

結局、そのカナブンの死骸も家の中で
発見できず、いまだに行方不明なん
ですよね。

それこそ、煙みたいに消えちゃったん
ですよ・・・。

些細な出来事ではありますが、捉え方
次第で、怪談にもなるのかな・・・という
例えの一つです。

皆さんも、何か一つくらい、

「あれはなんだったんだろう・・・」

という体験をしたことがあるのでは
ないでしょうか?

ひょっとしたら、似たような体験談を
「拝み屋異聞 うつろい百物語」の中に
見つけることができるかもしれませんね。

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拝み屋郷内「怪談始末」「花嫁の家」は実話か?

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拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2017/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 文庫



ジョジョ4部小説『The Book』で千帆が父・ 照彦を殺害した動機は? [本・コミック]

いまさらですが、ジョジョ4部のノベライズ
『The Book』(乙一著)を読みました。

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/11/26
  • メディア: 単行本


初版を買ったまま、なぜか放置してました。

いや、何度か読み進めたことはあるのですが、
物語が鬱々としているのと、なかなか仗助達が
登場しないので、途中で脱落してしまったの
ですよね。

最近、友達に『The Book』を貸して欲しいと
言われ、せっかくなので読んでみるかなーって
思い立ち、ようやく読破しました。

総じて、おもしろかったですよ。
著者のジョジョ愛があふれていて、
ジョジョ好きであればあるほど、好きに
なれる作品かもしれません。

キャラクターが破たんすることもなく、
世界観が壊れることもなく、
原作4部のアフターストーリーとして、
十分に成立しています。

そんな物語の中で、唯一、腑に落ちなかった
ことがあるので、それについて、掘り下げて
みたいと思います。
(以下、ネタバレ含みます)



双葉 千帆はなぜ父・双葉 照彦を殺したのか?


物語の冒頭で、千帆が照彦を刺殺したことを
告白しているので、それは確かなことです。

ただ、その動機がイマイチよく分からなかったので、
自分なりに考察することで、この本の感想に代えたい
と思います。

まず、父・双葉 照彦は、娘である千帆を愛して
いたし、娘の成長が自分の生き甲斐だと思っていた。
それは、まぎれもない、事実。

また、千帆も、両親が離婚したとはいえ、父親の
ほうに身を置いていたことからも、父娘の関係は
良好だったように思える。

その親子関係に亀裂が生じたのは、やはり、
蓮見 琢馬の存在だろう。

千帆は琢馬の恋人になり、琢馬を愛していた。
(琢馬には、愛情は無かったようだが)
そして、琢馬の子供を身ごもった。

それゆえに、父・照彦に対し、恋人である
琢馬を紹介し、二人の交際を認めてもらおうと
思った。

おそらく、既にお腹の中に二人の子供がいると
いう事実も、カミングアウトするつもりだったと
思う。そういう秘密も正直に話し合えるくらいに
親子関係は良好だったから。

その愛情・信頼関係が、一変して、殺意に
至ってしまった理由は何か?

一つは、千帆が、織笠 花恵の不審な事故死に
ついて、継続して調べていたこと。
父・照彦との関係についても、知っていた
可能性が高い。
(離婚の原因が織笠 花恵にあると、思っていた
 かもしれないので、父に対して、何かしらの
 疑念を抱いていたかもしれない)

もう一つは、父・照彦に、琢馬との交際を
認めないと言われたこと。

優しい父なら、琢馬との交際を許してもらえる
と思っていたのに、絶対にダメだと言われたら
それはショックだろうとは思う。

でも、それだけなら、親子の縁を絶交し、
家を出て琢馬と二人で暮らす、という思考に
なるはず。
(別に、父・照彦を殺害する必要はない)

父・照彦を、自らの手で殺害し、生かしては
おけない、という思いに至った心理状態とは
何か?

考えられるのは、
千帆自身が父・照彦に殺されそうになった
からではないか?

父・照彦は、千帆が連れてきた琢馬と対峙し、
琢馬に過去の悪事がすべてばれてしまった事を
知った。

しかも、
琢馬が自分と飛来 明里との間に出来た子供で
あることを、知ってしまった。

そして、織笠 花恵を殺害したのも、琢馬の
仕業であることが分かった。

おまけに、千帆を人質のように取られ、今後
どんな脅しをかけられるか分からない。

さらに、そんな忌々しい息子(琢馬)が自分の
愛娘を奪い、さらには、子供まではらませた
という事実を、千帆から突き付けられ、逆上した
ことは想像にかたくない。

おそらく、千帆もこれまで見たことのない、
どす黒い、照彦の形相と感情を目の当たりに
したのだろう。

今すぐ、子供をおろせ!
琢馬とは、二度と会わせないようにしてやる!
(スタンド能力で)
と迫られたに違いない。

それでも反抗する千帆に対し、照彦がなんらかの
危害を加えようとしたら・・・。

そう、例えば、自宅に火を放ち、心中を図ろう
としたとか。
(自暴自棄の挙句、どうせ死ぬなら愛娘も
 道ずれに・・・)

千帆は自らの命だけではなく、お腹の中に
宿った琢馬との子供を守るために、
父・琢馬を包丁で刺したのではないだろうか。

そう、正当防衛だった。

明確な殺意ではなく。

って、ここまで書いていて、あれ?と思った。

確か、物語の冒頭で、千帆は愛する父の胸に
包丁をつきたて殺害したとあったよね。

しかも、台所にあった包丁を持ち出して。

ということは、正当防衛というよりも、
明確な殺意があったということだよね?

うーん・・・

再度、考察。

琢馬が帰った後、千帆と照彦との間に
何があったのか?

照彦は、千帆が身につけていた
「黒い琥珀」のネックレスを見て、
琢馬が自分と明里との間にできた、あの
子供だと悟り絶望し、

「暗闇だ・・・」

という言葉を発した。

そんな父・照彦の気持ちも知らない千帆は、
琢馬との間に身ごもったお腹の中の子供の
ことをカミングアウトする。

狼狽する、照彦。

千帆に、琢馬との交際は認められないし、
その子供を産むことも許されないと告げる。

「どうして!?理由を聞かせて!」

と詰め寄る千帆に対し、照彦は、
琢馬が千帆の腹違いの兄だと告げる。

そんな・・・バカな・・・・

と、逆に絶望する千帆。

それでも構わない、私はこの家を出て、
琢馬と一緒に暮らす。
子供も産む!

と突っぱねる千帆。

そんな事はさせない!と、照彦と千帆が
もみくちゃになる。

その場所が、たまたま台所であり、
自分の身(お腹の中の子供)を守ろうと、
照彦の胸に包丁を突き立て、殺害・・・。

うーむ。

そんなところかなー。

もしかしたら、照彦と千帆の口論の中で、
織笠 花恵の不審な事故死について、
千帆が照彦に詰め寄った可能性もありますね。
母親との離婚の原因だとか、織笠 花恵を
殺害したのは、照彦なんじゃないか?とか。

もし、織笠 花恵を殺したのは、琢馬だ!と
照彦が告げ、千帆も奴に騙されているんだ!
などと言われたら、愛する人を侮辱された
千帆に、殺意が芽生えても不思議ではない
かもしれませんね。


ただ、
自宅に火を放ったのは、千帆ではなく、
照彦だと思うんですよね。

父親を刺した千帆は、怖くなって、
逃げ出したと思うんですよ。

残された照彦は、死にかけているわけですが、
最後の力を振り絞り、家に火を放った。
(台所にいたので、コンロも近くにあったはず)

なぜ、火を放ったのか?

それは、愛する娘に、殺人の罪を着せたく
なかったからではないでしょうか。

この家ごと、自らも灰になってしまえば、
刺された傷も、刺した包丁も、すべての
証拠が隠滅される。
娘が疑われることはなくなる。

そういう、愛情が、最後にはあったのでは
ないかなと思います。

いや、そう思いたい。


琢馬が照彦を殺害するように、千帆に仕向けた
のではないか?とも考えたのだけど、
琢馬の復讐は、腹違いの妹である千帆に、
自分の子供をはらませ、それを父・照彦に
突き付けることで、最悪の苦悩(生き地獄)を
味わわせるということで完結しているわけなので、
照彦を殺害してしまうと、逆に復讐の効果が
薄れてしまうのですよね。

なので、千帆が照彦を殺害してしまったのは、
琢馬にとっては、想定外のことであり、
誤算だったのではないかと思います。
(ただ、その事実を知る前に、琢馬は死んで
しまうので、復讐を果たしたという想いは
失われていませんが)


ところで、父・照彦のスタンド
「黒い琥珀の記憶」(メモリー・オブ・ジェット)
は、ある領域に、他者を侵入させなくする能力
でした。

照彦殺害の容疑で、千帆が警察から追われて
いるのに、うまく逃げおおせているのは、なぜか?

そこはやはり、
父・照彦のスタンド
「黒い琥珀の記憶」(メモリー・オブ・ジェット)
と同じような能力が千帆(もしくはお腹の中の子)
にも、備わっていると思ったほうが、自然ですよね。

もしくは、父・照彦の残留思念で、千帆を何者
からも守ってあげたい、という想いが、
「黒い琥珀の記憶」(メモリー・オブ・ジェット)
の能力を継続させているとか・・・?

ジョジョの中には、自身が死ぬことで発動する
スタンド能力もあるので、その類かもしれませんね。


The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/11/26
  • メディア: 単行本




「拝み屋怪談 来たるべき災禍」はジャパニーズホラー版マトリックスだ! [本・コミック]

郷内心瞳さんの著書は、
怪談始末」「花嫁の家」「逆さ稲荷」「禁忌を書く
すべて読んでいます。

今回の新刊
拝み屋怪談 来たるべき災禍」も非常に楽しみに
待っていました。

拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫


読了しましたので、以下、感想です。

まず、これまで、郷内さんの著書に何度も登場
している
「桐島加奈江(きりしまかなえ)」
が、今回のメインテーマです。

郷内さんの頭の中から抜け出し、実像を結んで
他者からも認識されるようになってしまった
化け物・桐島加奈江。

郷内さんのみならず、奥さんにも害を及ぼす
存在となってしまいました。

これまでは、ひたすらに怯え、逃げ惑うだけ
だった郷内さんが、桐島加奈江に真っ向勝負を
挑みます。

と書くと、いかにも銅剣を片手に、
「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前!」
と九字切りをしそうなイメージですが、
そういうことではありません。

そもそも、桐島加奈江とは、何者で、どういう
存在なのか?が明らかになっていないので、
手の打ちようがありませんから。

そんなわけで、桐島加奈江という化け物を、
科学的に、論理的に解明していこうというのが、
今回の物語の導入でもあります。

文章の構成も面白く、二つの時間軸が
クロスオーバーしています。

一つは、
終わりへ向かいて 6章から0章

赤くて暗い水の中にいる。
自分がどうしてここにいるのか分からない。
記憶をたどりながら、意識を取り戻すまでの
時間の流れ。

もう一つは、
怪物の夢 1章から6章
これは、桐島加奈江にまつわる回顧録。
他の著書で、断片的に語られていた
桐島加奈江にまつわる話が、今回の著書では
章ごとにまとめられています。

ミステリー、謎解きの要素を含みながら、
化け物と対峙する。
そういう図式になっています。

桐島加奈江の正体は、まぁ、およそ解明
できるものでもないのですよね。

科学的に説明できるものならば、
恐れる必要もないわけですし。

そんな考察をしている中で、
以前、桐島加奈江を著書に載せたところ、
日本全国から同じように、不可解な怪異を
誰にも言えずに悩んでいるという便りや、
依頼をいただいたというエピソードが秀逸
でした。

特に、「明晰夢」や「ブレインロック現象」
について触れられているのですが、これらに
ついては、初めて耳にする言葉であり、
現象でもあったので、かなり戦慄が走り
ましたよ。

だって、幽霊の見える・見えないは、
僕自身が見ようと思っても、見れないから、
少し安心できるのですが、
「明晰夢」や「ブレインロック現象」は
いつ、自分の身に起きてもおかしくない
リアリティや恐怖があります。

脳が「自分は死んだ」と認識すると、
実際に死んでしまう。
それが例え、夢の中の出来ごとであっても。

他者の事案など、多角的な視点から
桐島加奈江という化け物を分析していく
ことで、いくつかの推論が立てられ、
最終的には
「桐島加奈江という化け物は、こういう
 存在なのだろう」
という結論が出ます。

結論が出たといっても、それを証明する
ことはできないので、あくまでも、著者の
郷内さん自身が納得した、という話なの
ですが。

桐島加奈江との鬼ごっこや、明晰夢での
対決に関しては、怪談というよりも、
どこかSFっぽくもあり、ファンタジーの
ようでもあります。

もともと、郷内さんは何かのインタビューで
ゲームもするし、漫画も読むと言っていたので
映画だとかアニメなんかもお好きだと思う
んですよね。

いや、僕も大好きなので、なんか分かるの
ですよ。

この、ファンタジー感とか、SF感といった
ものが、そういうエンターテイメント作品に
インスパイアされたものではないかなと。

桐島加奈江が、郷内さんの脳みそが生んだ
怪物であれば、その対決も、郷内さんの
脳みそが生んだ世界なわけです。

だから、そういうエンタメ作品に根付いた
表現であったとしても、なんら不思議では
ないわけです。

Amazonのレビューでは
「ライトノベルのようだ」
と酷評されている方もいましたが、
ある意味、それが的を得ているのかも
しれませんね。

自分が作り出した化け物と対峙して、
最終決戦の末、一時の和解。

そこから転じて、
真のラスボスバトルに突入。

悲劇のバッドエンドの中にも、淡い
初恋への惜別と、現実世界への回帰。

化け物だと思っていたものは、実は
自分自身を映し出した鏡だった、
というのも、どこかで聞いたような
話です。

物語としても、あまりにもきれいに
まとまり過ぎているので、
「まるで、ライトノベルのようだ」
と思われた方もいるのでしょうね。

いっそのこと、全12話くらいのアニメに
してくれたら、面白い作品になりそう
です。

まずは、漫画化からですかね(^^)

それくらいに、読んでいて映像が鮮明に
浮かんでくる描写でした。

僕自身は、ライトノベルというよりも、
SFに近い印象を受けたんですよね。

今回の「拝み屋怪談 来たるべき災禍」を
読了して、一番最初に思い浮かんだのが
キアヌ・リーブス主演の映画「マトリックス」です。

「明晰夢」を操り、夢の中の現実を無に帰す
神のごとき能力は、「マトリックス」の
クライマックスで、キアヌ・リーブス扮する
ネオが、マトリックス世界を我が物として
操る、あの能力に酷似しているように思い
ました。

いや、それを批判しているわけではなく、
むしろ、それが、いいんですよ。

妄想だろうが、空想だろうが、本人が納得
することが大事なんですから。

その納得する味付けが、エンタメしてるなぁ
というところに、すごく親近感が湧きました。

もう一つ思い浮かべた映画は、
エルム街の悪夢」ですね。

僕が高校生の頃、ホラー映画ブームっていう
のがありまして、「エクソシスト」や
「ポルターガイスト」、「13日の金曜日」
なんかを、友達とビデオで鑑賞したのを
覚えています。

中でも、この「エルム街の悪夢」というのは
性質の悪い映画でして、夢の中で殺人鬼
フレディに追い回され、夢の中で負った傷が
現実に戻っても残っているという、ね。

主人公も、寝ちゃダメだ、寝ちゃダメだ
と思っていても、睡魔には勝てず、気が付くと
夢の中、という。

見ているこちらも、どこからどこまでが
夢なのか、現実なのか?という境界線が
曖昧になった感じの恐怖がたまらないわけで。

実際に、眠ることが、心底怖くなった、
ある意味、トラウマ映画でした。

桐島加奈江との鬼ごっこなんかは、まさに
フレディに追い回される感じですよね。

ただ、これは映画のように作られた世界や
脚本ではなく、郷内さんの場合は、現実な
わけですから、その心労たるや・・・ですよ。

ぐだぐだと、取りとめもない感想になって
しまいましたが、結局のところ、今回の著書は
郷内さんが抱えてきた、心の中の闇を吐露
するものであり、自問自答の私小説のような
ものです。

それ故に、これまでの著書とは趣きが異なって
いるので、「花嫁の家」「逆さ稲荷」のような
拝み屋怪談シリーズを期待していると、少し
肩すかしを食うかもしれません。

それでも、郷内さんが、桐島加奈江の事象を
自分なりの解釈で解明し、始末を付けたこと
には、意味があると思うのです。

それは、郷内さんと同じように、今もなお、
解決できない心の闇を抱えている人は
たくさんいて、そういう人達に対して、
この物語は一つの解決事例として、光明に
なるかもしれない、ということです。

そういえば、ふと思い出したのですが、
以前に、テレビの番組だったか、ニュース記事
だったかで、こんな話がありました。

不治の病を患った少年が、その病の元
(病原菌だか、がん細胞だか)をテレビゲームの
敵キャラと想定し、繰り返し、撃退していく
イメージを持ち続けたところ、その病気が
完治したといいます。

これって、「明晰夢」や「ブレインロック現象」
が、マイナスではなく、プラスの方向に
働いた事例ってことですよね、たぶん。

脳が「自分は死んだ」と認識すると、
実際に死んでしまう。
それが例え、夢の中の出来ごとであっても。

逆に、

脳が「自分は死ぬはずがない」と認識すると、
不治の病さえ、克服できてしまう。

どこか、
今回の「拝み屋怪談 来たるべき災禍」と
通じるところがあるように思いました。


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拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 文庫



拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2017/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




「イニシエーション・ラブ」から読み解く80年代の恋愛事情 [本・コミック]

会社の人に勧められて
「イニシエーション・ラブ」という小説を
読みました。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

  • 作者: 乾 くるみ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/04/10
  • メディア: 文庫


最後から二行目で、全く違う物語に変貌する、
必ず二回読みたくなる、といううたい文句の
小説です。

確かに、最後の二行目を読んで、自分の目を
疑いましたよ(笑)

まぁ、そのカラクリはともかく、
物語の背景が80年代というのがね、
僕の世代的にはドンピシャで、思わず
自分が学生だった頃を思い出しながら
読んでいました。

携帯電話や、インターネットが存在しない
世界での恋愛は、便利さはないけれど、
コミュニケーションの密度が高かったの
だろうなーって。

想いを伝えるのも、手紙を手渡ししたり、
相手を呼び出したりして、直接伝えなければ
ならないシチュエーションに追い込まれたり
して(笑)

たいてい、ろくに伏線も貼れずに、そんな
行動に出たりするもんだから、告白された
相手も「えっ?」みたいな微妙な感じに
なることも多くて(笑)

思い込みや、勘違いのオンパレードでしたね。

そんなんで、よく彼女ができ、結婚できた
ものだと、不思議になりますよ、ホント。

でも、逆に言えば、今みたいに、SNSで
相手の情報収集が出来なかったり、
ライトな交流が出来ない分だけ、何も
恐れずに、考えなしに自分の想いを
真っ直ぐに伝えることができたのかも
しれないなぁ。

情報や選択肢が増えた分だけ、
影響を受けたり、流されたりもする
わけで。

誰かと比較して、
自分の中の想いを信じられなくなったり
行動してもいないのに、負けた気持ちに
なって、あきらめてしまったり。

「当たって砕けろ」なんて発想は、ないの
かもしれないなぁ。

当たって砕けるのが怖いから、
情報収集、理論武装。

結果、いろいろな事を知っているけど、
経験値がたまらない。

現代の方が、恋愛に発展しずらい世の中
なのかも?とか思ったり。

どうなんでしょうね。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

  • 作者: 乾 くるみ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/04/10
  • メディア: 文庫



『拝み屋怪談 禁忌を書く』 書かれていたのは禁忌ではなく・・・ [本・コミック]

郷内心瞳さんの新刊
『拝み屋怪談 禁忌を書く』
を読みました。

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 文庫


「拝み屋」というのは、
先祖供養、交通安全、安産祈願、合格祈願
など、依頼主から依頼された案件に対して
拝むことを生業とした職業です。

そういった、「普通」の案件もあれば、
祟りのお祓いなど、「特例」の案件も
あるそうです。

そんな現役の「拝み屋」が、小説を書いて
いて、今回の新刊で、4冊目になります。

小説と言っても、空想などのフィクション
ではなく、すべて、本人が見聞きしたり、
実際に体験した実録、つまり、ノンフィク
ションである、という点が、この一連の
著書の特徴でもあります。

僕自身、そんなに怖いモノが好きかと
言われると、決してそんなことはなく。

テレビゲームのバイオハザードは、初回の
しょぼいグラフィックのでさえ、恐怖で
先が進めなくてクリアを断念したほどの
ビビリです。

ただ、不思議なモノには、大変興味が
あります。
例えば、UFO、宇宙人、UMA、古代遺跡、
心霊現象、などなど。

「もしかしたら、実在するのかもしれない」

おそらく、現実と空想の狭間にある、
あやふやな、不確定な、グレーの領域に、
真実を知りたいという探究心がうずく
のだと思います。

一言で表すと「ロマン」です。

話を元に戻すと、郷内心瞳さんの書く
小説には、そんな「ロマン」があるの
です。

今回の新刊
『拝み屋怪談 禁忌を書く』
ですが、タイトルから想像すると、
この刊の中で、禁忌となる怪談が書かれて
いるのではないか?と思われますよね。

実はそうではなく、著者はすでに、禁忌
となる怪談を、
『拝み屋郷内 花嫁の家』
という小説にして発刊しているのです。

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: 文庫


今回の『拝み屋怪談 禁忌を書く』は、
『拝み屋郷内 花嫁の家』を書くにあたり
著者が2014年の春から秋にかけて体験された
怪異の実録、いわば、後日譚なのです。

では、『拝み屋郷内 花嫁の家』のほうを
先に読んでいなければ、話が分からない
のか?というと、そうでもなく。

今回の『拝み屋怪談 禁忌を書く』を
読んで、興味を持ったなら
『拝み屋郷内 花嫁の家』を読んでみる
という流れでもよいと思います。

ただ、『拝み屋郷内 花嫁の家』は、
著者が「禁忌」というだけあって、
なんていうか、特別な物語ですので、
一読する価値はあるかと思います。
めちゃくちゃ怖いですけど、それだけ
ではない、感情を揺さぶられる「何か」
がありますので・・・。


さて、前置きはこれくらいにして、
『拝み屋怪談 禁忌を書く』のレビュー
をしましょうか。

今回はズバリ!泣けます!!

あと、お墓参りに行かなくちゃ!って
気持ちになります(笑)

全体の構成としては、
『拝み屋怪談 逆さ稲荷』のような感じ
です。

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫


一冊(293ページ)の中に、53編の怪談が
収録されています。
平均すると、一つの怪談は5.5ページ。

あくまでも平均なので、中には、たった
1ページで終わる怪談もあれば、10ページ
を越える怪談もあるといった感じです。

なので、忙しいサラリーマンのような
僕でも、通勤やちょっとした隙間時間に
サクサク読めるのは、実はちょっと
有難い構成だったりするのです。

怪談と言っても、中には、まったく
恐ろしくない話もあります。
というのも、これは「怪異」を集めた
小説なのです。

「怪異」とは、何も化け物や妖怪の類を
指すのではなく、どう考えても説明の
つかない、奇妙な出来事を意味します。

例えば「餃子ライス」という怪談が
あります。

ドライブインで注文した餃子ライスを
食べようと思ったのに、餃子が紛失した、
というような話です。
(オチが面白いので詳細は書きませんが)

郷内心瞳さんの怪談には、時折、「食」
に関するものが登場するのですが、
個人的に、結構好きなんですよね。

『拝み屋怪談 逆さ稲荷』に収録されて
いる「サンドウィッチ」とかも、すごい
オチを期待してしまうのですが、
「で?」というところで話が終わって
しまう。

オチないんです。

つまり、

「昔、こんなことがあったんですよ」

と聞かされて、

「へぇ~、それは不思議ですねぇ・・・。
 で?」

となるわけです(笑)

でも、実際の会話って、そんなものです
よね。だからこそ、なんだか真実味が
あって、よくよく考えてみると、ちょっと
怖くなったりするんだと思います。

では、そういう怪異ばかりを集めた怪談集
かというと、そうではなく、軸となる怪異が
4本(4人と言ったほうがいいのかな?)
あります。

いずれも女性です。

4人の怪異を持つ女性の間で振り回される
主人公と聞くと、どこぞのライトノベルを
思いだしますよね(笑)

いや、確かに、その女性たちが、いずれも
可愛ければ、たとえ相手が幽霊や霊感体質
であったとしても、ハーレムなのかもしれ
ません。

でも、『拝み屋怪談 禁忌を書く』を読んで
いただくと分かりますが、決して羨ましい
なんて気持ちは、これっぽっちも湧いて
きません。

また、
郷内さんは、著書の中で度々、霊能力に
憧れる、それを欲する人たちと、その顛末
についての怪談を書かれています。

他人には無い能力に憧れる気持ちは、よく
分かるのですが、こと、霊能力については
望まないほうがよいと思います。

肝試しで心霊スポットに行ってみたり、
こっくりさんをやってみたりと、不用意な
行動を取ることも、慎むべきだと思います。

郷内さんが、どれだけ日々、恐れながら、
神経をすり減らし、命を削りながら生きて
いるかが、よく分かるからです。

本著では、特に、そのような『教訓』が
含まれているようにも思えました。


あと、こんなことも思いました。


「郷内さんの本を読んで以来、前よりも
 身の回りに起きる心霊現象がひどくなった」

これは「思い込み」なのだといいます。

一方、著書の中で

死者の思いは、生者の思いを超越するほど
素晴らしい奇跡を起こすことがある。

と、郷内さんは語ります。

死者の想いというものは、遺された者の
そばに脈々と残り続ける、というのだ。

果たして、そうなのでしょうか?

それこそ、「思い込み」ということは
ないのでしょうか。

ただ、様々な怪談や、自分の実体験を
通じて分かったことは、自分以外の他者が
その怪異を目撃したり、一緒に体験をした場合、
それは「思い込み」ではなく「事実」と
なり得る、ということです。

何を当たり前な、というかもしれませんが、
怪談の多くは、他人から聞いた話なので、
その真偽のほどは、分からないのです。

かくいう自分の観た怪異でさえ、

「思い込みなんじゃないか?」

と問われると、それを完全に否定できない
のです。

それくらい、記憶というものは曖昧で
あやふやなものでしょう。

例えば、僕が現在に一番近い時間軸で
感じた怪異について、記して、この
レビューの締めくくりにしたいと思います。

2009年12月4日

自宅への帰り道、最寄駅のエスカレーターを
登っている途中で、ゴトン!という大きな
音を立てて、何かが足元に落ちました。

見ると、僕の腕時計でした。

おかしいな?
ちゃんと、手首にはめていたはずなのに。

拾い上げて見てみると、時計のベルトが
切れていました。

一瞬、表情がサッと青くなって、その場で
あわてて、母に電話を入れました。

「お父さん、大丈夫?」


その日は、末期癌で入院中の父を見舞いに
行った帰り道でした。

医者からは、

「今日が峠かもしれない」

と言われ、覚悟して行ったのですが、
何とかその日は持ちこたえ、父の意識も
はっきりとしていたので、明日また来る
から、と言って、病院を後にしたばかり
だったのです。

母からの

「何にもないよ。お父さん、寝てる」

との返事に、ほっと胸をなでおろしました。


翌朝、7時を回るか回らないかという
時間だったと思います。

母から父の訃報を知らせる電話があったのは。



今にして思えば
腕時計のベルトが千切れたのって、
「虫の知らせ」というやつじゃなかったの
かしらって、思うんですよね。

「腕時計のベルトが切れた」
というだけでは、たいした出来事ではないの
ですが、それがタイミングによっては、
何か意味を持っているようにも思えてきます。

それを、単なる「思い込み」と捉えるか、
はたまた、父の想いが僕のところに、
危篤を知らせに来たと捉えるか。

捉え方によって、その出来事は「日常」にも
「怪異」や「奇跡」にもなり得るのではない
でしょうか。

■その他のレビュー記事

拝み屋郷内「怪談始末」「花嫁の家」は実話か?

郷内心瞳さんの『逆さ稲荷』を読んだけど拍子抜け?

「拝み屋怪談 来たるべき災禍」はジャパニーズホラー版マトリックスだ!

「拝み屋異聞 うつろい百物語」は「来たるべき災禍」の後日譚だった



拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 文庫




拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫



拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2017/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック 買いました [本・コミック]

たまたま書店で見かけて、気になったので購入しました。
「ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック」

0208.jpg

ナノブロックが発売された当初(2008年)、
「スタンダードカラーセット」と「ダークトーンカラーセット」を
購入したものの、パーツを種類ごとに仕分けてケースに
収めるところで力尽きてしまい(笑)、ずっと放置してました。

ナノブロック スタンダード


ナノブロック ダークトーン








ちょうど翌年2009年に長男が産まれたこともあって、
自分の趣味に時間を費やす余裕が無かったことも、
ナノブロックに手付かずとなった要因かもしれません。

そんな矢先に、書店で見つけた
「ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック」。

小学生になった長男に、「やってみる?」と聞いてみた
ところ、「やってみたい!」と目をキラキラさせながら
うなずいていました(^-^)

さて、
「ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック」ですが、
パラパラと作品を見ているだけで楽しいです。
少ないパーツで、よくぞここまで、立体物を再現できて
いるなぁ~と感心してしまいます。

巻末のほうには、一般ユーザーからの投稿作品が
掲載されていたり、開発者インタビューや、製造工場の
記事なんかも載っていたりして、一定層のファンが
いるのだなぁ~という盛り上がりをうかがえました。

ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック オリジナル作品の組み立て方

ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック オリジナル作品の組み立て方

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2015/07/07
  • メディア: 単行本


気持ちも高ぶってきたところで、長男と一緒に
「ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック」の最初に
掲載されている例題「ツバメ」を作ってみました。

が、
作っている途中に、一つ、壁にぶつかりました。

ガイドブックに掲載されているパーツが、僕の持って
いるパーツの中には、存在していないんです。

前述したように、僕が持っているパーツは、
2009年当時に発売された
「スタンダードカラーセット」と「ダークトーンカラーセット」
の2種類。

ナノブロックホームページで調べてみたところ、
2009年に発売された「ベーシックセット」より、新しい
規格のパーツが増えていることが判明しました。

ナノブロック BASIC SET

ナノブロック BASIC SET

  • 出版社/メーカー: カワダ
  • メディア: おもちゃ&ホビー


オーマイガ!

うーむ。
足りないものは仕方がない。

とりあえず、あるパーツだけで、似せて作ってみました。
ツバメ。
0208_2.jpg
なかなかいい感じです。

何よりも、長男と一緒に、手順を踏みながら作る工程が
楽しいです♪



ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック オリジナル作品の組み立て方

ナノブロック・オフィシャル・ガイドブック オリジナル作品の組み立て方

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2015/07/07
  • メディア: 単行本



『インターステラー』と『アミ 小さな宇宙人』 宇宙の法則は「愛」 [本・コミック]

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

お正月は引きこもって、見たかった映画や、
読みたかった本に時間を費やしていました。

まず、年末に会社の同僚から薦められたのが
映画『インターステラー』。

インターステラー ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/3枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • メディア: Blu-ray


SFものであり、父娘の愛情物語であるくらい
しか、事前情報は知らず、あまり、予備知識を
入れずに観ました。

観ている途中で、この映画が言っている事って、
この本に書かれていることと、一緒だよなぁ
って思いました。

ちょうど年末に読んでいた本が、
『アミ 小さな宇宙人』
『もどってきたアミ 小さな宇宙人』
『アミ3度目の約束 愛はすべてをこえて』
という三部作の小説でした。

アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)


もどってきたアミ―小さな宇宙人 (徳間文庫)


アミ 小さな宇宙人




『インターステラー』と『アミ 小さな宇宙人』。
驚くほどに、物語の本質が似ているんですよ。
もしかしたら、『インターステラー』の、
クリストファー・ノーラン監督も
『アミ 小さな宇宙人』を読んだのではないか?と
思ってしまうほどでした(それはないかな?w)

『インターステラー』は、三時間という尺の
長い映画ですが、あまりSF的なうんちくに
ついては、詳しく説明されていないんですよね。

例えば「ウラシマ効果」であったり「特異点」
であったり「多次元世界」であったり。

そういう要素は
「もちろん、知ってるよね?」
という感じで、物語が進んでいきます。

それでも、観ている人が、置いてきぼりに
ならないのは、圧倒的な映像美であったり
視覚効果があるので、飽きさせないのだと
思います。

そして、よくは分からないんだけど、
ハッピーエンドなので、
「なんかいいもの観たなぁ~」
という、ホンワカした気持ちにさせられる
んじゃないかと思います(笑)

いや、映画なんて娯楽なので、それでいい
んだと、正直思いますけどね(^^)


ただ、『インターステラー』は、一回観た
だけでは理解できないというか、見落として
しまいがちな点もあるなぁ~と思った次第です。

例えば、「宇宙人」の存在。
あれ?宇宙人なんて出てきたっけ???という
くらい、その存在が希薄ではありますが、
『インターステラー』は宇宙人がいること
すらも、前提条件として描かれています。

といっても、未知との遭遇や、ETやエイリアン
などのいわゆる「宇宙人」でもなく、謎の円盤も
登場しないので、なんかモヤッとした存在の
ように感じると思います。

「大宇宙の大いなる意思」とか「神様」とか
いったニュアンスのほうが、近いかもしれません。

『アミ 小さな宇宙人』によれば、宇宙人(進化した
人間)は、三次元ではない別の次元に存在して
いるので、我々人類には、感知できないのだ
そうです。

また、人類の進化には、直接関与するのでは
なく、進化を促すよう手助けをしているの
だとか。
(進化は人類自身が起こさなければならない)

そういう「宇宙人視点」から見ると、
『インターステラー』の宇宙人の存在という
ものにも、納得いくわけです。

あと、『インターステラー』の中でも語られて
いましたが、「宇宙の法則」について。

時間や時空を超えるものとして、重力と愛が
語られていました。

特に、愛は科学では証明できないけれども
存在していて、エネルギーがある云々という
話。

これこそが、まさに『アミ 小さな宇宙人』でも
繰り返し書かれているメッセージで、
結局のところ、『インターステラー』の
伝えたいメッセージも、これに尽きるのかな
と思いました。

ただ、『アミ 小さな宇宙人』は、宇宙人が宇宙の
法則について説いている教科書のような
ものなので、やや説教くさいと感じるかも
しれません。

うがった見方をすれば、新手の宗教本かな?
くらいに感じるかもしれません。

『インターステラー』が、そういう偏見も
なく、大衆に受け入れられているのは、
あくまでも科学的な根拠に裏付けされた
「SF」という要素が強いからなんでしょう。

でも、結局のところは、
「宇宙人による愛のメッセージ」
という本質があるので、その視点で見て
もらえると、また違った感想が出てくると
思います。

ちなみに、我々が言うところの「宇宙人」は
つまるところ、「人間」が進化した姿です。
「人間」とは、地球人類だけではなく、
この宇宙に存在する「人型」の生物を意味
します。
それらが進化することによって、次元を
超えた存在になり、いわゆる超能力(今の
地球人類から見たら)を持った、存在、
宇宙人であり、神という存在になる、という
ようなことが、『アミ 小さな宇宙人』には書かれて
いました。

興味があれば、読んでみてください。

『アミ 小さな宇宙人』が事実を元にしている話か
どうかは、いろいろな説があるようですが、
本質は真実なんだろうなぁ~と三部作を
読んで感じました。
直感ですけどね。

そもすると、『インターステラー』という
映画自体も、そういう「宇宙人」の意思が
介在されているんじゃなかろうか?と
思ってもみたり・・・(笑)

いろいろと妄想してみるのも楽しいですね♪

年始のブログが、何やらオカルト寄りに
なってしまったなぁ・・・

でも、12月にテレビでやっていた
UFO&宇宙人 徹底解明4時間スペシャル
も面白かったし、何気にマイブームですw


アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)

アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)

  • 作者: エンリケ・バリオス
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2005/08/05
  • メディア: 文庫



もどってきたアミ―小さな宇宙人 (徳間文庫)

もどってきたアミ―小さな宇宙人 (徳間文庫)

  • 作者: エンリケ・バリオス
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2005/08/05
  • メディア: 文庫



アミ 3度めの約束―愛はすべてをこえて (徳間文庫)

アミ 3度めの約束―愛はすべてをこえて (徳間文庫)

  • 作者: エンリケ バリオス
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 文庫



インターステラー ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/3枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

インターステラー ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/3枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • メディア: Blu-ray





バケモノの子(小説版) チコの正体って・・・? [本・コミック]

映画「バケモノの子」、とても面白かったです。
細田監督作品の中では、「サマーウォーズ」と
同じくらいに好きかな?

映画本編の中で、いくつか分からない点がありましたので、
小説版も買ってみました。

バケモノの子 (角川文庫)

バケモノの子 (角川文庫)

  • 作者: 細田 守
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫


以下、映画本編で疑問に思った点(!ネタバレも含みます!)



・九太の両親はどうして離婚したのか?

・なんで九太は、あそこまで親戚を嫌っていたのか?

・九太が成長して渋谷に戻った時に、なぜ図書館に行ったのか?

・熊徹と猪王山の宗師後継者決定戦でのダウンについて。
 熊徹はカウントはどうして「9」で止まったの?

・九太と楓が渋谷の街で一郎彦に襲われた時に、どうして
 地下鉄に乗ったのか?

・一郎彦との決着が着いた後、楓を渋天街に招いたのは誰?

・チコの正体は、九太の亡くなった母親の化身なのか?


上記は、映画本編では、あまり詳しい説明が無かった
ので、場面が展開するたびに、「もやっ」とした違和感が
残っていました。

まぁ、別に知らなくても差し支えないのかもしれませんが、
知れば「納得」できますし、物語をきちんと理解できます
よね。

例えば、
・熊徹と猪王山の宗師後継者決定戦でのダウンについて。
 熊徹はカウントはどうして「9」で止まったの?
ですが、これは宗師後継者決定戦のルールだったんですね。

いや、おそらく劇中でも司会が説明していたのでしょうが、
完全に聞き逃していました。
だから、熊徹が倒れて、九太が駆け付けたことで、
それに驚いて審判のカウントが止まってしまったように
見えたんです。

うちの子供も、
「あの試合はズルだよねー?なんか熊徹をひいきしていた」
って言っていたので、そういう印象を与えてしまっていた
のは確かです。

あと、小説版を読んで、なるほど~と思ったのは、
九太と一郎彦の最終決着の場所、「国立代々木競技場」
についてです。

なんで地下鉄に乗って、わざわざ「国立代々木競技場」
なんかに行ったんだ?という理由は、小説を読めば
楓がそのように誘導したというにが分かるのですが、
そもそも、人間界の渋谷とバケモノ界の渋天街は、
互いに干渉しあっていて、熊徹と猪王山の宗師後継者
決定戦が行われた闘技場と同じ位置に、「国立代々木
競技場」があったわけです。

つまり、熊徹が宿敵と勝負をした場所で、九太も宿敵と
対峙するという構図があるわけです。

となると、初めから、最終決戦の場所は「国立代々木
競技場」と決められていたわけで、九太を渋谷から
ここまで、どうやって連れてこようか?と考えた末、
あの地下鉄に乗るという場面が生まれたのかぁ、という
感じに、物語の構成についても納得がいくわけです。


ところで、
映画を観終わった後に
「チコってさぁ、九太のお母さんだったんだねぇ」
って僕が言うと、家族みんなが
「はぁ?何言ってんの?」
「チコはチコで、お母さんじゃないよー」
と反対してきました。

ええぇ・・・だって・・・あの描写は、どう見ても
チコがお母さんだって言ってたじゃん。
僕の深読み?
という疑問が残りました。

個人的には、チコは「新造人間キャシャーン」で言う
ところの、白鳥のスワニーなんじゃないかと思って
いました。

白鳥のスワニーは、普段は一見白鳥の姿をしたロボット
なんですが、実はキャシャーンのお母さんの生体データが
記録されていて、キャシャーンの危機を救ったり、心の
支えにもなっていたんです。
(チコは鬼太郎の目玉おやじ説もあるけれど、あそこまで
あからさまな親子関係が九太とチコとの間には見られ
ませんでしたよね)

バケモノの子小説版では、チコの正体についても言及
しているかもしれない、という期待がありました。

その答えは・・・

小説を読んでもらうしかないですかね、やっぱり(笑)

ちなみに小説版は「角川文庫」の他に、「角川つばさ文庫」
という小中学生向けの文庫本も発売されています。
うちは、子供も読みたいと言っていたので、両方買い
ました。

「角川文庫」も「角川つばさ文庫」も、書いてある
文章はまったく一緒です!
しかも、「角川つばさ文庫」のほうには、漢字にルビが
振られているだけでなく、挿絵もあるので、なんだか
こっちのほうがお得な感じがするのは僕だけか?(笑)

もし、子供がいるご家庭で、バケモノの子小説版を
買うのならば、「角川つばさ文庫」一冊だけでもよい
かもしれないですね・・・。

まぁ、ファンなら両方買っちゃいましょう!(^^)

バケモノの子 (角川つばさ文庫)

バケモノの子 (角川つばさ文庫)

  • 作者: 細田 守
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/25
  • メディア: 単行本



バケモノの子 (角川文庫)

バケモノの子 (角川文庫)

  • 作者: 細田 守
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫





郷内心瞳さんの『逆さ稲荷』を読んだけど拍子抜け? [本・コミック]

「拝み屋」を営む郷内心瞳さんの新刊が出ました。
『逆さ稲荷』です。


拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫


これまで「怪談始末」「花嫁の家」と読んできて、
もうこれ以上に怖い話は無いだろうなと思って
いました。

今回の「逆さ稲荷」は、郷内心瞳さんが、
「拝み屋」を開業するに至った経緯が語られています。

今回の小説では、物心ついていた頃から、怪異が見えて
いたこと。また、その怪異にまつわる話が、自身で体験
された話から、身内や近所の方から聞いた話などが、
怪談として時系列で紡がれています。

僕がこの本を手にとって、おや?と思ったのは、
目次を見た時ですね。
やけに、目次の数が多いんですよ。
数えてみたところ、67もありました。
総ページ数は268ページですから、単純計算すると、
平均4ページの怪談が、67話掲載されているということ
になります。

実際に読んでみると、一番短いもので、1ページだけで
語られる怪談なんてものもありました。
とにかく、次から次へと、ぽんぽんと怪談が語られて
いきます。
中には、思わず「ぷっ」と噴き出してしまうような
怪談もあったりします。

これまで「怪談始末」「花嫁の家」を読んできた
読者からしてみれば、少し拍子抜けしてしまうかも
しれませんね。

確かに、一つ一つの怪談は、どれも面白いんだけど、
深みが無い。
僕自身、こんな感じでこの小説が終わってしまうと
したら、なんだかすごく残念だなぁと思っていました。

でも、その心配はいりませんでした。
詳しくはネタばれになるので書きませんが、
最後まで読むと、
「マジかー!!!!!」
ってなりますよ(笑)

そして、最初からまた、読み返してみたくなります。
僕は実際に読み返してしまいました・・・。

っていうか、結局、解決されていない「謎」は
残ったままなんだよなぁ。
郷内さん自身も、知らされていないみたいだから、
いつか語られる日が来るのかなぁ。

あと、郷内さんは、本当に怪談が好きなんだなぁと、
しみじみと思いました。

怪談が好きだからこそ、こんなにもたくさんの
見聞きした怪談を集められるのだし、読んでいて
面白い怪談が書けるのだと思います。

でも、郷内さんが他人から聞いた話を怪談にしたものと
ご自身が見て体験された怪談とでは、質が異なるの
ですよね。

生々しさというか、真に迫る恐怖というか、
こちらの想像力に働きかける怪異の描写が、とにかく
すごくて、目を覆いたくなるほどです。

いや、実際には目を覆ったところで、頭の中で
イメージして見えているので、無駄なんですけどね。
想像してしまったことに、後悔するくらい、おぞましい
光景だったりするんですよね。

また、怪談が好きなことと、怪異が見えることとは、
別の次元の話であるとも思いました。

郷内さんの元には、「霊が見える能力が欲しい」と
相談に来る人も、多いそうです。
郷内さんは、それを「奇特な人」と称していましたが、
確かにそうなんでしょうね。

郷内さんや、他の人が体験されている怪談を読んで
いると、いや、本当に自分には視えなくてよかったと
心底思います。

「逆さ稲荷」から郷内さんの書籍を読んで、面白いと
思った人は、ぜひ「怪談始末」「花嫁の家」も読んで
みて下さい。

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拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

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  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
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  • 作者: 郷内心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: 文庫


「拝み屋」という職業があるそうです。
「祈祷師」とか、「シャーマン」とか
そういう名前で呼ばれることもあるよう
です。

著者は、その「拝み屋」を営む郷内心瞳
という男性。
この二冊の本に収録されているのは全て、
郷内さん自身が見聞きした『実話』。

この二冊の本を読み終わって、僕が最初に
取った行いは、
「郷内さん、まだ生きてるのかな?」
と思い、著者の生存確認でした(苦笑)

実際に、郷内さんが運営されている
ホームページにアクセスし、「拝み屋」
として営業されていることを確認。
安堵しました。

それほどまでに、「危険」な怪談だと
思いました。

一冊目の「拝み屋郷内 怪談始末」。
こちらは、郷内さんが拝み屋という仕事を
通して見聞きした怪談を、読者に読んで
もらうことで「始末して欲しい」という
想いで書かれたもの。

「怪談」と一口に言っても、
「え?それだけ?」と拍子抜けするような
些細な怪異から、
「いやいやいや、それはあかんやろ」
というようなヘビーな内容まで多種多様。

中には、到底「始末し切れない」怪談まで
あります。

でも、それらは全て、後に続く二冊目の
拝み屋郷内 花嫁の家」の序章に過ぎない
のだと思いました。

本来「拝み屋」という職業は、僕らが想像
しているような「悪霊退散!」みたいな
派手な演出もなければ、その対象となる
「悪霊」そのものが存在しない事案ばかり
なのだそうです。

家内安全、無病息災、交通安全、安産祈願、
合格祈願、商売繁盛他などの各種加持祈祷。
先祖供養にペット供養。
はたまた家庭問題やいじめなど人間関係の
トラブルによる相談。
おおよそ地味で、粛々と執り行われる簡素
な儀式が生業なのだとか。

そんな「拝み屋」という職業の中でも、
十万分の一の確立で「例外」に当たる事も
あるのだそうで。
「拝み屋郷内 花嫁の家」の怪談は、その
例外中の例外を綴った実話です。

郷内さんも言っていますが、そもそも、
怪異は本人にしか視えない主観的なもの
なので、その「怪異」を客観的に証明する
ことは、非常に難しいそうです。

拝み屋に相談にくる客のほとんどが、
お客自身の「思い込み」によるものなのだ
そうです。

ですので、郷内さんの物語も、科学的な
根拠もなければ、あくまでも郷内さんが
見たと言っているにしか過ぎないので
「そんなの空想だよ」とか
「単なる偶然に過ぎない」と笑い飛ばす
ことも出来るかもしれません。

もし、作り話だとしたら、大変よくできて
いる物語だなぁと感心もしますが、ここに
登場する人物が全て実在されており、
さらには被害に遭われている方もいると
いう事実があるだけに、「実話」としての
信憑性も高いです。

そして何より、僕自身、子供の頃に奇妙な
体験をしている事が数回あるので、郷内さん
の怪談を、作り話とは思えないんです。

ああいう体験は、それこそ体験した本人に
しか分からない衝撃があるのだと思います。

すでに30年以上も前のことなので、あの
体験そのものが、もしかしたら見間違い
だったのではないだろうか?と段々と
自分自身の記憶をを勘ぐっていたりもして
おりました。

しかしながら、
拝み屋郷内「怪談始末」「花嫁の家」を
読んだことで、逆に、あれらの体験が
真実味を帯びた現実の記憶として、認知
されました。

見間違いであるのならば、商店街の中を
猛スピードで追いかけたり、裏山を
一目散に駆け下りたりしないはずなんです。

ああいう行動が伴うからには、それなりの
「理由」が必要なわけで、それらが、
本来見えるべきでないものが見えてしまった
ということであるならば、やはりそれは
「事実」なのであろうと、思わざるを得ま
せん。

そう思ったほうが、全て腑に落ちるのです


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