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「拝み屋異聞 うつろい百物語」は「来たるべき災禍」の後日譚だった [本・コミック]

「拝み屋異聞 うつろい百物語」読了しました。

拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2017/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


郷内心瞳さんの新刊です。
角川ホラー文庫から出版された
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」から間を置かずに
発売されたことで、その関連性が気になる方も
いるのではないでしょうか?

そのあたりも含めて、レビューします。

まず、「拝み屋異聞 うつろい百物語」は、文庫本
ではなく、単行本です。

文庫本の「拝み屋怪談 来たるべき災禍」
720円(税抜)に対し、
単行本の「拝み屋異聞 うつろい百物語」
1,600円(税抜)と、倍以上のお値段。

うーむ。
正直言って、高い。

人気のある作品ならば、単行本が発売された
後に、文庫化されることもあるかと思いますが、
「拝み屋異聞 うつろい百物語」が怪談という
部類なので、爆発的ヒットで文庫化という
ことも、あまりないような気がします。

なので、読みたいのならば、いま、単行本を
買って読むしかないと思いました。
郷内心瞳さんにとっては、初の単行本という
ことですし、応援も兼ねて。

単行本のいいところは、文庫本とは異なり、
凝ったブックデザインになっていること
ですよね。

たとえば、装丁ですが、黒地に丸い窓が
空いており、その窓からは、四季の色合いを
もった写真がうかがえます。

0726_1.JPG

帯にもあるように、今回の怪談は、
巡りくる四季を舞台にした百物語だからです。

で、帯を取ると、実は、もう一つの窓が
隠れていました。

そこから見えるのは、薄暗い・・人の手・・?

0726_2.JPG

ちょっと、これだけで怖いんですけど(笑)

カバーを外すと、こんな表紙が現われます。

0726_3.JPG

いいですね~

読む前から、テンションが上がります。

あと、読み進めていくと分かるのですが、
ところどころに、暗い靄(もや)の掛かった
ような装飾を施したページが出てきます。

0726_4.JPG

あまりネタバレになるのもよくないので、
詳細は書きませんが、これも実に効果的な
使われ方をしていて、文庫本では表現できない
恐怖の演出をしています。

このように、お値段は少し高いですが、
それ相応のブックデザイン、紙質なので、
手にした時の満足感はあると思います。

いやいやいや、結局のところ、外観ではなく、
中身が重要でしょう!と思われますよね。

ご安心ください。
中身もとびっきりですよ。

まず、この作品は、先に出版された
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」の後日譚と
言っていいと思います。

「拝み屋怪談 来たるべき災禍」にて、
桐島加奈江との決着がついた後、郷内さんは
いったいどうなったのか?
果たして、無事でいられたのか??

これも詳しくは、著書に書かれているの
ですが、あまり無事ではなかったようです。

それどころか、拝み屋という職業を辞めよう
とすら思い、悩んでいる様子がうかがえます。

そう。

「拝み屋異聞 うつろい百物語」は、百物語
という怪談集でありながら、郷内さんが
どん底から這い上がる、再生の物語でも
あるのです。

作品の構成としては、著者の既刊
「拝み屋郷内 怪談始末」「拝み屋怪談 逆さ稲荷」のように、
数ページの短い怪談が、四季を通じて
記されているので、
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」を読んで、
こんなの、郷内さんらしくない、と思った
読者も、安心するかもしれませんね。

収録されている話の中には、
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」の話を
掘り下げて記されているものもあるので、
「拝み屋怪談 来たるべき災禍」を事前に
読んでいると、その関連性も読みとれて
おもしろいと思います。

特に、僕が興奮したのは、「創造の家」
という怪談です。

「拝み屋怪談 来たるべき災禍」を読んだ
時に、あれ?と思ったことがありました。

郷内さんがこれまで見舞われた怪異として
いくつか例を挙げていたのですが、
その中で、「そんな怪異、あったっけ?」
と思った記述がありました。

--------------------------------------------------
首から下が血まみれの骸骨だけになった、髪の長い女。
--------------------------------------------------

それが、本書には、しっかりと載って
いたのです。

しかも、かなり、おぞましい内容で。

おぞましいと言えば、
「人形殺しを見た話」という怪談も、
かなり、鳥肌が立ちましたね。

これは、著書「拝み屋郷内 花嫁の家」にも通じる、
なんていうか、人間が怖いという恐怖です。

百物語なので、さぞ怖い話が揃っている
かというと、怖い話ばかりでもなく、
時にはくすっと笑ってしまったり、
思わず、ほろりと涙してしまう話も
あったりして、それこそ、移り行く四季
と同じように、怪談も色とりどりだなぁ
と思わされます。


そう言えば、先日、こんな体験を
しました。

これも怪談と言えるのかな?

家族で食卓を囲んで、夕飯を食べていた
時のことです。

突然、ブーン ブーン という大きな
音がして、何かと思ったら、鮮やかな
エメラルドグリーンの色をしたカナブンが
一匹、部屋の中を飛んでいました。

食卓の真上には、大きな電灯があり、
どうやら、その明りに引き寄せられた
ようです。

一時、家族はパニックになりましたが、
そのカナブンは、しばらく宙を舞った後、
電灯の上の隙間に、すっと入ってしまい
出てきませんでした。

翌日、電灯のフードを外してみたの
ですが、カナブンの姿は見つからず。

忽然と姿を消したように思えました。

それにしても、不思議です。

あんな大きなカナブンが、いったい
どこから紛れ込んできたのか。

確かに、網戸にしてはいましたが、
その隙間から入ってこれる大きさでも
ないように思えます。

ただ、僕はそのカナブンを見た時に、

「あっ」

と思ったことがあるんですよね。

それは、先日亡くなった親戚のこと。

なんとなくですが、そのカナブンを
見た時に、その親戚の顔を思い出した
んですよね。

亡くなった親戚が、カナブンの姿で
会いに来た・・・。

そんな風に、直観的に思ってしまった
んですよ。

そうだったらいいなぁという願望が
あったのかもしれません。

結局、そのカナブンの死骸も家の中で
発見できず、いまだに行方不明なん
ですよね。

それこそ、煙みたいに消えちゃったん
ですよ・・・。

些細な出来事ではありますが、捉え方
次第で、怪談にもなるのかな・・・という
例えの一つです。

皆さんも、何か一つくらい、

「あれはなんだったんだろう・・・」

という体験をしたことがあるのでは
ないでしょうか?

ひょっとしたら、似たような体験談を
「拝み屋異聞 うつろい百物語」の中に
見つけることができるかもしれませんね。

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拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

拝み屋異聞 うつろい百物語 (イカロスのこわい本)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2017/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 来たるべき災禍 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: 文庫



拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫



拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

  • 作者: 郷内 心瞳
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 文庫



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